2019年1月26日テレビ朝日の「ごはんジャパン」という番組で、明治から代々続く所沢の老舗豆腐店「山下豆腐店」の絹ごし豆腐が紹介されました。
放送された内容についてまとめました。
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ごはんジャパンとは?
毎週土曜日の夜18:30からテレビ朝日で放送されている、本物の美味しいものとその「食の知恵」について紹介する30分間の番組です。
日本が世界に誇る食文化の根幹にある「食の知恵」。 日本では、恵まれた四季の中で育んだ食材や調理法で、ごはんをおいしくいただく知恵や、文化を楽しみ、健やかで豊かに暮らす知恵など、さまざまな食の知恵が全国各地で受け継がれています。 この番組では、そんな、本物の美味しいものと、その「食の知恵」を、探求していきます。
引用元:ごはんジャパン|テレビ朝日
旬の食材を求めて現地に赴き、おいしさの秘密を紐解きます。
そしてグランシェフの手によって、その食材を生かした料理を創作し紹介をするという番組内容です。
山下豆腐店について
山下豆腐店は明治5年から続く老舗豆腐店です。
店主の豆腐職人・山下さんは、昔の味をそのまま伝えるだけではなく、多種多様な大豆を使いそれぞれの美味しさを演出することをモットーとしています。
自らにがりの製法を生み出したこと、にがりの技術を磨き上げるために多種多様な大豆を自ら育てていること、豆腐を造る技術や「寄せ」と呼ばれる工程の習得など、常に研究する姿勢はまさにプロフェッショナルです。
「にがりとうふ」にかける熱い想いが伝わってきます。
全てはそれぞれの大豆がもっとも美味しいと感じられる形の豆腐を作ることに繋がっているのです。
店舗は本店(所沢市下安松420)と西武所沢店(所沢市日吉町12-1 西武所沢店 B1)の2店舗あります。
その他にホームページからも購入することができます。
放送内容のまとめ
『神業で作られる 極上の絹ごし豆腐』
出会いと収穫
- 豆腐には旬がある。秋から冬にかけて収穫された新豆を使った豆腐が出回る今が旬
- 大豆を収穫した直後の豆腐は「野の味」、広がりのある美味しい豆腐になる
- 大豆本来の甘み・風味、箸でつかめるギリギリの柔らかさは芸術的
- 和食の料理人「てのしま」主人の林亮平シェフが豆腐に注目し極上の湯豆腐を生み出す
- 豆から作ることに驚く
- おいしい豆腐を作るにはどんな大豆を選んだらいいか、大豆を変えることによりどんな味の変化が出るか調べたいから豆から栽培をしている
- 50種類の大豆を栽培
- あけぼの大豆(市場には出回らないまぼろしの大豆)を紹介
- 生で食べてみると甘みがすごい
- 林シェフはさやを食べる(さやから良い出汁がでるとのこと)これには山下さんも驚く
- 豆腐には豆本来の苦味ではないものは入れないということで、手作業で一粒一粒選別をする
- 理想の豆腐は、甘いだけではなく野の味をきちっと引き出せた豆腐
豆腐作り
- 豆すり 一晩水に浸した大豆をすり潰す作業
挽き加減はやや粗目→細かく潰すと美味しいのでは?と思ったが甘味やうま味がわからなくなる
大豆を粗くすり潰すことでえぐ味が減る - 煮釜 圧力鍋で煮て豆乳を作る作業
窯の中の対流を手の感覚と音で感じ取り、匂いも確認。青臭さがとんで甘い香りになるのを確認
まろやかになりすぎるとアクセントがなくなりつまらない
煮えすぎないように手で見極める - 絞り 煮汁をこして豆乳とおからに分ける
甘みも自然で出汁みたいな豆乳 - 二段寄せ にがりを入れた豆乳を撹拌して固める工程
豆腐職人の中でも伝説的技法で神業
一般的な豆腐製造ではすぐ固まるため一回撹拌するだけだが、山下さんは二回に分けて撹拌
一回目の撹拌は今目の前の豆乳の状態を調べるために軽く行い、二回目の撹拌で調整
大きな塊・小さな塊が入り混じっていてあえて均一じゃないものを作る
にがりを入れた瞬間から凝固反応が始まり、2回目は最初のやつを壊しにかかるが、それを壊さないようにやるのが能力
完全に固まった豆腐を崩してにがりを加えても固まらない
固まりかけの絶妙なタイミングで2回目の寄せを行い、全体を緩やかに固めるのは至難の業 - 佐藤豆腐店の佐藤さん曰く
二段寄せを使うことによって、味と食感が良くなるためわざとかすかな不均一ムラを作っている
きっちりと作っているけどその中に不均一さをしのばせている
そんなすごい業はできない - 30分程したら木枠から外してカッターで6等分し、水の中で取り出す
- 味の深みと食感の様々な要素が詰まっていて、食感・味わいが他にはない
- 寄っていないけど寄っている、寄っているけど寄っていない
林シェフの調理
- 南青山の「てのしま」に山下さんを招いて披露
- 油揚げと金時人参の炊き込みご飯
人参と油揚げは見えるが豆腐は見当たらない
マツタケの香り?実は出汁に秘密あり
大豆のさやを炒ることで苦味を加え人参の皮と一緒に煮出したものを出汁にした
大豆のさやには旨味成分(グルタミン酸)が含まれいい出汁が出る
豆腐の匠も驚き - 豆乳湯豆腐
大根おろし・ネギ・ゆず・ごまを合わせた薬味団子を添えていただく
豆乳・一番だし(昆布・かつお節)・塩・しょうゆ(少々)を加えただけ
作られたそのままの豆腐を維持したかった
豆腐をキレイに炊くのも至難の業
しっかりと温めて味を含ませながら「す」が入らないように炊くのは非常に難しい
90%が水分なので沸騰させて炊くと水分が蒸発して気泡ができてしまい食感が悪くなる
豆腐そのものが美味しいのに加熱を長時間したり沸かしてしまうことで失われてしまう
豆乳と出汁に豆腐を入れてから火をつけ、沸騰させずに約60℃で炊く
余計な手を加えず素材の良さを引き出す - 山下さん「材料が自分で作ったものであるだけに、感動したとは照れくさくて言えないけど、本当に感動した。忘れられない1日になった」